葬儀社も押さえておきたいGoogleの新検索機能「AI Mode(AI モード)」とは?

最近、Googleの新しい検索モードAI Mode(AI モード)を発表しました。これまでの検索結果に加えて、AIが生成した回答を表示するAI Overviews(AI概要)をさらに拡張したものです。

AI Mode(AI モード)は、我々の情報収集のやり方を大きく変えるかもしれませんので、ウェブ集客を頑張りたい葬儀社にはぜひ知っておいていただきたい内容となっています。

ここでは、AI初心者の方でもわかりやすいようにGoogleのAI Mode(AI モード)について解説します。

執筆者


株式会社ディライト
AIOコンサルタント|高橋丈太郎

大学在学中からSEO、ウェブデザイン、AI検索を独学で研究。大学卒業後、株式会社ディライトに入社。入社後1年で「AI検索ラボ」をリリースし、革新的なAIソリューションを次々と生み出す。

目次

1. AI Mode(AI モード)とは

AI Mode(AI モード)は、現在「Google One AIプレミアム」に契約しているユーザー向けに試験的に提供されている機能です。ユーザーが質問を入力すると、AIが複数の関連領域を同時に検索し、その結果をまとめて回答してくれます。

たとえば、「複数の葬儀社」や「どのプランで葬儀をあげるか」を比較・検討したい時などに幅広く・深く調査できるのが強みです。
さらに、このAI Mode(AI モード)はリアルタイムの情報源にもアクセスできるため、最新のお知らせや変更点などの追加質問にも対応してくれます。従来は何度も検索キーワードを変えて調べていた内容を、一度のやり取りで集約してくれるのが魅力です。

2.AI Mode(AI モード)とAI Overviews(AI概要)との違い

既存のAI Overviews(AI概要)は、通常の検索結果ページの上部に、AIが要約した回答を表示する機能です。

一方、AI Mode(AI モード)はこのAI概要をさらに発展させたもので、専用の「AI Mode(AI モード)」タブに切り替えると、画面全体がAIの回答表示に切り替わります。これにより、通常の検索結果を見ずに、AIからの回答のみを閲覧できるようになります。

項目AI Overviews(AI概要)AI Mode(AI モード)
表示位置検索結果ページの上部に要約が表示される「AI Mode(AI モード)」タブを開くと、画面全体がAI回答に切り替わる
用途検索結果をざっくり要約して表示より深い調査や比較、推論が必要なクエリに特化
特徴従来の検索結果とAIの要約を両方確認可能従来の検索結果が表示されず、AI回答を集中的に閲覧
活用シーンサッと概要を知りたい場合新しい概念の探索、複数オプション比較などの高度な検索
ベース技術Gemini 2.0(アップグレード後)Gemini 2.0 + クエリ・ファンアウト
AI Mode(AI モード)の画面
AI Overviews(AI概要)の画面

AI Mode(AI モード)とAI Overviews(AI概要)で利用されるAIモデルは「Gemini 2.0」と呼ばれる、Googleの最新かつ高度なモデルです。

  • 高度な推論や思考:複雑な質問にも対応し、必要に応じて複数視点から回答。
  • マルチモーダル対応:コーディングや数学的計算、画像や音声を組み合わせた質問も可能。
  • 常時アップデート:リアルタイム情報へのアクセスをはじめ、今後も機能が継続的に強化される見込み。

4.クエリ・ファンアウト

AI Mode(AI モード)の大きな特長として挙げられるのが、「クエリ・ファンアウト」という新しい仕組みです。これは、一つの質問に対してAIが「関連情報を細かく振り分けて検索し、最終的にまとめる」という流れを自動で行う技術です。以下のステップで簡単に説明します。

  1. 質問を解析
    AIが「どんな情報が必要か」を考えます。
    例えば、ユーザーが「家族葬の費用を知りたい」と質問した場合、「葬儀費用」「家族葬の定義」など、必要な情報の項目を洗い出すイメージです。
  2. 細かい検索を一斉に実行
    「家族葬の平均費用」「家族葬とは何か」といった複数のサブトピックに分けて、それぞれを同時に検索します。これがファンアウト(扇状に広げる)と呼ばれる由来です。
  3. 情報を整理・分類
    一斉検索で得られた情報を、AIが自動的に「費用データ」「具体的な事例」などに整理していきます。
  4. 最終的にまとめた回答を提示
    最終的に、利用者が欲しかった「家族葬の費用相場」「おすすめの葬儀社」などを、一つの回答として統合表示します。利用者は別々のキーワードで何度も検索する必要がなく、一度の質問でより幅広く深い情報を得られます。

5.SEOへの影響

AI Mode(AI モード)が普及すると、ユーザーはAI回答だけで満足してしまい、ウェブサイトへのアクセスが減る懸念があります。たとえば、葬儀社の公式HPやポータルサイト、ブログなど、リンクがクリックされる機会が大幅に減少する可能性があるのです。

6.「AIO(AI最適化)」の重要性

従来は検索エンジン最適化(SEO)によって、いかに検索結果の上位に表示させるかを意識していました。

しかし、AI Mode(AI モード)では検索結果そのものが表示されないケースも出てきます。このため、単にSEOを強化するだけでなく、LLM(大規模言語モデル)に最適化したコンテンツを意識する必要があるといわれています。
今後は、AIに引用されるようなコンテンツをいかに作り、AIが生成する回答内にサイトの情報源として取り上げてもらうか(AIO対策)が重要になっていくでしょう。

今やるべき「AIO対策」

AIO対策とは、AIが要約や回答を生成する際に、コンテンツを正しく理解・評価してもらうための対策です。葬儀社においては、葬儀プランや同じ地域の葬儀社と比較した時の強み、自社斎場、スタッフの紹介など、AIに正しい情報をしっかり伝えられるようコンテンツを最適化する必要があります。以下は、AIO対策の一部です。

1. 信頼性の高い情報発信

  • 公的機関や実績データの引用
    葬儀費用や手続きは、信頼性のあるソース(法規、行政機関など)をもとに提示することで、AIに評価されやすくなります。
  • 専門家監修や資格の明示
    葬儀ディレクターや宗教専門家が監修した情報は権威性が高く、AIからも正確な情報源として取り上げられやすくなります。

2. 構造化データやメタ情報の整備

  • 料金表・比較表などの作成
    AIはテキストだけでなく、表や図を読み取り、必要なデータを抽出します。地域やプラン別の費用一覧を整理しておくと、AIOで引用される確率がアップします。
  • メタタグ・スキーママークアップ
    サイトの各ページにスキーマ(構造化マークアップ)を設定し、葬儀プランやサービスの詳細を明確に示すことで、AIへの情報提供がスムーズになります。

3. Q&A形式やキーワード設計

  • ユーザーが想定する質問に直接回答する
    「家族葬のメリットは?」「戒名の費用相場は?」など、ユーザーがよく聞きそうな疑問をQ&A形式でまとめると、AIが要約に使いやすいコンテンツとなります。
  • 葬儀特有のキーワードを的確に配置
    宗派、法要の種類、地域名など、具体的なキーワードを使うことで、AIOで表示される可能性が高まります。

4. 第三者サイトとの連携

自社のホームページ以外でも情報発信を行うことで、AIに引用される機会を増やし、認知度を高めることが期待できます。

AIO対策の基礎や概念を知りたい方は、まずは下記の記事をご覧いただければと思います。

AI Mode(AI モード)のまとめ

Google AI Mode(AI モード)は、検索の未来を大きく変える力を秘めています。複雑な質問でも、リアルタイムかつ的確に回答を提供することで、ユーザーの利便性はさらに高まるでしょう。

その一方で、従来の検索結果が表示されにくくなることで、ウェブサイトのトラフィック減少やSEO戦略の変化という新たな課題も浮上しています。

今後は、葬儀社の方々やウェブ担当の方々も、AIに好まれるコンテンツの作成や情報発信チャネルの多様化を進める必要があります。時代の変化に適応し、最新の検索トレンドを取り入れながら、ユーザーの皆さまに正しい情報を届けていきましょう。

監修


株式会社ディライト
最高技術責任者|川合真人

AI検索分野における先駆者。SEOコンサルタント、UI/UXデザイナー、フロントエンドエンジニアとして豊富な経験を持つ。東京理科大学を卒業後、多くの葬儀社のウェブ集客を成功に導き、葬儀業界の発展に大きく貢献。AI検索業界でもその評価は高い。

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